厚生労働省の「令和5 年(2023)国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日当たりの食塩の摂取量は 「男性10.9g、女性9.3g」となっています。この数値は厚生労働省の定める目標値である「男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満」と比べて、男性3.4g、女性2.8g、男女平均にして約3.0g/日、過剰に摂取していることがわかります。
実は、私たち日本人が1日に摂る食塩の大部分は、調味料や加工食品に由来しています。よって、「減塩の要」は、調味料や加工食品から摂る食塩の量をいかにして減らすかにあります。
「中食」や「外食」は手軽で便利な存在ですが、食塩の量を自分で調節することは不可能であることから、どうしても食塩の過剰摂取につながりやすいのです。
ついつい摂りすぎる塩分対策に、食前にめかぶやもずくなどの海藻を摂ってから食事をする「海藻ファースト」があります。すなわち、
①食前にめかぶやもずくを食べる。
②普段通りに食事する。
③塩分の吸収を防ぐ。
実験では、食塩の摂取量が比較的多い人(8.6g以上)で、めかぶやもずくを摂取することで、食塩の体内への吸収が抑えられる効果が示されました。これらの海藻には、アルギン酸やフコイダンといった水溶性食物繊維が含まれており、食塩を吸着することで体内への吸収を抑え体外に排出する効果(排塩効果)があるとされています。そのため、1日に1回、朝・昼・夕のいずれかの食前にめかぶ又はもずくを食べる「海藻ファースト」を1週間毎日実践するだけで、食事から摂る食塩の量を約1g減らすことができます。つまり、1日3回の実践で、1日の過剰摂取分の約3gを減らすことができます!

吉積一真ら、薬理と治療、49(8)、1273―1280、2021





