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COLUMN

海藻コラム

長いとも言えるし、短いとも言える、意外な海苔の歴史

 

海苔

意外な歴史をもつ海藻『海苔』

 

今回は、長いとも言えるし、短いとも言える、意外な海苔の歴史についてお話ししたいと思います。

海苔はいつ頃から食べられるようになり、

現在のような海苔の養殖の近代化が行われるようになってきたのでしょうか?

 

海藻太郎が幼い頃、年末になると海苔のテレビCMがたくさん流れていました。

幼い頃は、難しい事は分かりませんから、『海苔のコマーシャルだー』と思ったくらいですが、

実は私たちが日頃美味しくいただいている海苔の旬の時期が12月~3月頃の冬の時期だったために、

年末にテレビCMが多く流れていたんですね。

 

ですから、お歳暮の定番商品としてもよく目にしますね。

おじいちゃん、おばあちゃんの家に行くと、海苔の入れ物の缶がたくさんあったりなど、懐かしいですね。

おかげさまでも年末年始、期間限定で海苔の販売を行いました。

 

目次

■今回は意外な海苔の歴史を知ることができる?!

今回のコラムで、私たちが普通に食べている海苔に、こんな意外な事実があったのか!と

驚きながら、海苔の養殖の歴史に詳しくなれることでしょう。

 

私も、この海苔の養殖の意外な歴史を知ったときは、とても驚きました。

どうぞ、今回も楽しみながらコラムを読んでみて下さいね。

 

■海苔養殖の歴史

有明海の海苔

有明海の海苔養殖

 

私の考えですが、海苔の歴史は驚きの歴史と言ってもいいと思うのです。

今でこそ、近代的な養殖技術で、安定して生産されている海苔ですが、

実は今のような近代的な養殖の歴史は、まだ70年程度なのをご存じでしょうか?

 

そして、海苔は日本はもちろん、中国や韓国など東アジアで主に食べられる海藻ですが、

この海苔養殖の近代化に大きな貢献をした人は、

意外にもイギリス人女性だったということもご存じでしょうか?

 

 

似たような例として、ウナギの養殖が分かりやすいかもしれません。

ウナギの養殖は、稚魚であるシラスウナギを12月~2月の時期に

川の河口近くで獲り、養殖場でウナギで育てます。

 

しかし、シラスウナギは獲れても、そのシラスウナギを卵から育てることはおろか、

いったいどこで卵からかえっているのか等、ウナギの生態は、最近までよくわかっておらず、

やっと太平洋のマリアナ諸島付近でふ化したあと海流にのって、

はるばる日本の川へとやって来ることがわかりました。

 

しかし、まだまだ普通の魚の養殖のように卵から育てることが難しいのがウナギなんですね。

そんなウナギと海苔の歴史が似ているなんて、ちょっと私も驚きですが、今から説明していきますね。

 

では、海苔の歴史について簡単に説明したいと思います。

海苔は昔から日本人に欠かせない海藻ですが、その歴史はとても古くて、約1300年前まで遡ります。

 

はじめは、天然の海苔を採取して食べていたのですが、400年ほど前から木の枝等を海の中に入れて、

自然に着床する海苔を採取して食べるようになったそうです。

簡単な仕組みの海苔養殖のスタートです。

 

そこから、網も使うようになり、今の形に近い養殖方法に発展していきます。

こうして海苔の養殖は進化してきたのですが、第二次世界大戦後まで、

海苔の養殖について決定的なことが分かっていませんでした。

 

その決定的な事とは、海苔がどこで、どのように生まれて、養殖の網に着床するのか、

その仕組みが分かっていなかったのです。

ウナギの歴史とよく似ていますね。

 

■海苔の生育の仕組みを発見したのはイギリス人

イギリス人の科学者

発見したのはイギリスの女性生物学者

 

海苔の育成の仕組みを発見したのは、イギリスマンチェスター大学の女性生物学者でした。

 

この研究結果が科学雑誌に掲載され、その科学雑誌を見た熊本県の研究者が、

海苔の養殖のためにさらなる研究を重ねて、種付けにカキ殻を使った近代的な

養殖方法を確立したというのが、海苔養殖近代化の歴史のスタートでした。

 

イギリスの女性生物学者が海苔の育成の仕組みを発見する前は、

秋になったら海に網を入れて、寒い時期に海苔が育って収穫できても、温かくなってくると、

海苔が跡形も無く消えてしまうため、自然任せで本当に不安定な海苔養殖だったそうです。

 

それにしても、近代的な海苔養殖の方法を確立したのが、私たち熊本県人というのは少し鼻が高いです。^^

 

ちなみに、論文が科学雑誌に掲載されたのが1949年だったそうなので、

安定して養殖ができるようになったのは、まだまだほんの70年程ということになります。

驚きですよね。

近代的な海苔養殖の様子

 

戦後、海苔養殖の近代化が一気に進んだことで、海苔の種類も変わりました。

見た目は黒い海苔ですが、海苔にも種類がいくつかあるので、簡単にご説明したいと思います。

 

アサクサノリという品種が昔の海苔養殖の主役だったそうなのですが、

海苔養殖の近代化が進んで、アサクサノリよりも育てやすいスサビノリという品種が

養殖海苔の大部分を占めるようになりました。

 

この他にも、オニアマノリ、ウップルイノリ、イチマツノリという品種もあります。

 

■まとめ

今回は海苔の歴史についてお話ししました。

日本の海苔の歴史は1300年前の西暦700年まで遡ることができるそうです。

 

そして、道具を使った今の養殖のような形ができはじめたのが、今から400年前。

そこから、道具も養殖方法も発展してきたわけですが、肝心なところが分からなかったため、

自然任せの不安定な海苔養殖だったわけです。

 

イギリス人の手で海苔の育成方法が分かるまでは、夏に姿を消してしまう海苔の行方が大きな課題でした。

ある研究者がAという説を唱えても、Bという説を唱える研究者が出てきたりと、

どれも決めてが無く、激しい論争がずっと続いていたそうです。

 

今では普通に養殖され、冬の時期になれば美味しい海苔をいただくことができるため、

ほんの70年前までは、養殖方法が確立されてなかったなんて想像もしていませんでした。

日本の海苔養殖の発展に、海外の方が関わっていたなんていうのも、初めて聞いた人も多いのではないでしょうか?

 

これから、山登りやピクニックなど出かけることが多くなる季節です。

もし、お弁当のおにぎりに海苔を使う機会があれば、お子さんにこのコラムの話しを是非聞かせてあげて下さい。

 

海藻太郎

\\ 商品紹介 //

黒磯旨のり3種 ばらのり(¥540/税込) 焼きのり(¥1,080/税込) 塩のり(¥1,296/税込)